副作用・有害事象
脱毛への対処法
抗がん薬による脱毛は、頭皮毛包内に存在する毛母細胞の障害によるものです。
1)主な抗がん薬による脱毛の程度
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高頻度:パクリタキセル、ドセタキセル、エトポシド、トポテシン、カルセド、
ドキソルビシン、エピルビシン
中等度:エンドキサン、コスメゲン、ブレオマイシン、オンコビン
軽 度:5-FU、エルプラット、カルボプラチン
2)抗がん薬の副作用による脱毛の経過
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・抗がん薬の種類により多少異なりますが、投与開始から約2~3週間前後で髪が抜け始めます。
・発育の程度は人それぞれですが、治療終了後から発毛し始め、8か月~1年位でショートスタイル程度に回復します。
・再生した髪は以前と異なることがありますが、約2年で元の髪質に戻ります。
3)脱毛対する対処法
- ① 事前に髪を短くカットしておくことにより、お手入れがしやすくなります。
- ② 頭皮に炎症を起こすことがあります。頭皮の清潔に心がけましょう。
- ③ シャンプーの方法と手順
- ④ パーマやカラーリングは刺激が強いため、担当医と相談して下さい。
- ⑤ 衣類や枕についた髪はガムテープや粘着テープ付ローラーで簡単に取れます。コットンキャップなどで髪を保護しておくと良いでしょう。
・毛髪や頭皮を清潔に保つためにシャンプーを行ってください。
・頭皮への刺激が少ないシャンプーを使いましょう。
・シャンプー前に髪を十分にぬるま湯で洗い流します。2分程度のシャワーで70%の
汚れが落ちます。
・シャンプーを手のひらにとり、よく泡立て頭皮をもむように指の腹で優しく洗って
ください。(頭皮はこすらない!)
・リンスは髪の表面をカバー、トリートメントは毛髪に栄養を与えるものなので、
脱毛期の使用は避けましょう。
・ぬるめのお湯で十分に洗い流し、柔らかいタオルで拭き取ります。
・髪が濡れたままだと空気中の雑菌が付着します。頭皮にダメージを与えないように
ドライヤーの冷風でしっかりと乾燥して下さい。
4)脱毛後の対処法
- ① 頭皮を清潔に保つために脱毛後もシャンプーは行ってください。
- ② 必要に応じて、かつら、スカーフ、帽子などを購入してください。
5)かつらの選び方
- ●用途に合わせて購入しましょう。
- ●髪型の選び方
- 毛髪が抜ける以前と同じ髪型にする
- 思いっきり変化を楽しむ髪型にする
・完全なオーダーメイドから既製品までいろいろな製品があります。
・用途、予算、使用期間などを考慮し検討してから購入しましょう。
・髪の色と髪型を調和させるには、髪が抜ける前にかつら店で相談して下さい。化学療法で髪が抜けることを話してから購入してください。
・頭の大きさが調整できるかつらやセミオーダーのかつらがお勧めです。
・髪の色や髪型を普段とは全く違うようなものにするのも楽しいでしょう。
6)かつらの値段
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・かつらの値段は5千円から数十万円のものまであります。
7)かつらの扱い方
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・人毛と人工毛での扱い方が異なります。
・購入時にはかつらの手入れやアフターケアも含めて購入を決めて下さい。