プロトコール
新規抗がん薬、および、主にがん細胞だけに効く分子標的薬の登場により、化学療法(抗がん薬治療)による治療成績が向上してきました。化学療法の安全性を確保しつつ効果を最大限に得るために、「プロトコール」(抗がん薬の種類と投与量、投与順序、投与期間、休薬期間)を整理して管理することが重要です。当院で行う化学療法は、有効性・安全性について化学療法プロトコール審査委員会で審査、承認されたプロトコールのみを行っています。
概要
群馬大学医学部附属病院では、平成18年7月に化学療法プロトコール審査委員会を設立し、がん化学療法の標準化を進めています。医師19名、薬剤師 4名、看護師2名からなるがんプロトコール審査委員が、がんの種類ごとに、使用できる抗がん剤の種類と量、投与順序、投与期間、休薬期間などを審査し、有効で安全ながん化学療法として承認したプロトコールを登録します。令和5年7月現在、約800種類のプロトコールが登録されており、患者さんのがんに最適な治療法の選択、化学療法実施時の安全確認に使用されています。
申請から登録までの流れ
各プロトコールの有効性・安全性について文献、各種ガイドライン、研究計画書(臨床試験)をもとに審査し、より安全で質の高い化学療法の提供を目指しています。
各診療科から提出されたプロトコールは、医師3名、薬剤師らによる事前審査を受けます。これにパスしたプロトコールは、各診療科医師、薬剤師、看護師等で構成される化学療法プロトコール審査委員会(委員長:腫瘍センター長)で審議、登録されます。いずれかで問題点を指摘された場合は、各診療科でもう一度検討し、再申請してもらっています。
まったく新しい治療法は「臨床試験」として臨床試験審査委員会の審査、承認を受けることになっています。
化学療法プロトコール審査委員会で承認を受けたものは薬剤部で管理され、担当医から注射指示が出されたときに、プロトコールどおり処方されているかをチェックしています。
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登録済みプロトコール
登録済み化学療法プロトコール件数(令和5年7月現在)
◇核医学科 11件
◇眼科 1件
◇血液内科 200件
◇呼吸器 96件
◇婦人科 69件
◇歯科・口腔 8件
◇胃・食道 53件
◇大腸がん・肛門癌 47件
◇肝・膵臓・胆道 27件
◇小児科 81件
◇耳鼻科 35件
◇腎臓リウマチ内科 6件
◇整形外科 11件
◇内分泌糖尿病内科 1件
◇乳がん 57件
◇脳外科 25件
◇脳内科 2件
◇泌尿器 66件
◇皮膚科 42件
◇放射線科 12件
◇生物学的製剤 23件