副作用・有害事象
倦怠感(疲れ、だるさ)への対処法
がん患者さんには高い割合で倦怠感が起こることが知られています。
倦怠感の原因は1つではなく、がんの症状、がん治療関連、社会精神的要因、合併疾患など様々な要因が考えられます。
1)抗がん薬に伴う原因
- がん化学療法でなぜ倦怠感が起こるのか、原因はよくわかっていません。化学療法後2~3日がピークで、次の治療までに徐々に改善していきます。
- 治療を重ねることで少しずつ強くなる場合があります。
2)倦怠感の症状
具体的な症状としては
・ 体がだるい、体が重い、早く動けない、気力がない。
・ 注意力、記憶力、集中力が低下する。
・ 不安、イライラなど、感情的になる。
3)倦怠感を緩和する方法
- 倦怠感を体験される患者さんは、日常生活において活動の優先順位を考え、1日の活動をどのようにエネルギーを配分するかを調整することで、よりよい生活を送ることができます。そのためにも、活動と休息パターンを知り、調整することが必要です。
- ① 自分の倦怠感の観察をしてみましょう。
- ・いつ、どのような状態でだるさが出現し、増強するのかを知りましょう。
- ・化学療法から次の化学療法までの間のだるさや症状、持続時間の変化について日誌に書いてみましょう。(これが次の治療の目安になります)
- ② 活動と休息をうまく取り入れましょう。
- ・倦怠感が出現する時期と強さ、変化のパターンを知り、活動と休息をうまく取り入れましょう。
- ・軽い運動は倦怠感を改善する効果があると言われています。散歩や体操など短時間で毎日継続できる運動プログラムを取り入れてみましょう。
- ・昼寝も効果があります。長時間の昼寝で疲れが強くなることもあるため、
約30分以内が目安です。 - ・疲れが強い時には、仕事や家事を減らす工夫や他の人に代わってもらい、頑張りすぎないことも大切です。
- ・自分の生活のリズムを作りましょう。
- ③ 栄養・水分を補給しましょう
- ・抗がん薬治療中は、悪心・食欲不振・下痢・味覚障害などにより、栄養・水分摂取が不十分になりがちです。消化がよく、栄養価の高いものを摂取するようにしましょう。(吐き気・嘔吐のパンフレットを参照してください)
- ・治療中、管理栄養士が栄養相談を行っています。ご希望の方は看護師に相談してください。
- ④ 体の血液・リンパ液の流れを良くしましょう
- ・マッサージや入浴・足湯などにより、全身の血液やリンパ液の循環を促進することで、倦怠感が軽減します。入浴は、40℃程度のお風呂につかると、副交感神経を刺激して、緊張がほぐれると言われています。
- ・ストレッチ、散歩、ヨガなどを行うことが、全身倦怠感の軽減に効果があると言われています。無理のない程度で行ってみてください。
- ⑤ リラクゼーションを活用し気分転換を図りましょう
- つらい症状を抱えながら治療を続けるのは、心身ともにストレスがかかります。気分転換を図ることで自律神経のバランスを整え、精神的に安定した状態を保つことができます。次のようなことを試してみてください。
- ・音楽療法 ・呼吸法 ・アロマテラピー
- ・趣味を楽しむ、外出をして自然に触れてみる。
- ・友人との会話を楽しむ:
—–がんサロンや患者会などに参加する。
疑問があれば、いつでも看護師に相談してください。