副作用・有害事象
吐き気・嘔吐への対処法
1)原因
抗がん剤による吐き気・嘔吐は延髄外側網様体にある「嘔吐中枢」が刺激されて出現すると考えられています。
2)吐き気・嘔吐の種類
・ 抗がん剤投与開始から24時間以内に現れる急性のもの。
・ 注射終了後24時間以降から数日続く遅発性のもの。
・ 抗がん剤投与開始前より現れる予測性嘔吐。
(以前、抗がん剤で辛い経験をした方など)
3)吐き気・嘔吐の予防方法
・ 姿勢
- ① 嘔吐のときには姿勢は横向きにします。こうすることで、吐いた物が「のど」から「気管」に入ることを防ぎます。
- ② 急に動くと嘔吐を誘発しますのでゆっくり動きましょう。
・ リラクゼーション
- ① 全身の緊張をほぐすために、ベッドなどで楽な姿勢をとり、全身の力を抜いて、意識的に深呼吸などをして気分を楽にしましょう。
- ② 気持ちが落ち着く音楽を聴くことも1つの方法です。
・ 口の中の衛生
- ① 口の中の不快感は吐き気を誘います。うがいで清潔にしましょう。
- ② 食事前にうがいをすることは吐き気の予防に有効です。
- ③ うがいは番茶、レモン水(水にレモン果汁を数滴)、炭酸水(砂糖の入っていないもの)、氷水などでするとさっぱりします。
・ 指圧
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吐き気に関連するツボは、内関(ないかん)といわれる手首の内側にあります。このツボを2時間ごとに5分間指で押して刺激すると効果があると言われています。
※「内関」は手首関節の皮膚ヒダから指3本離れたところです
・ 食事の工夫
- ① 少しずつ食事の回数を増やしてみましょう。
- ② 冷たく、さっぱりしたもの、飲み込みやすいものを選びましょう。
- ③ 消化の良い食事を選びましょう。
- ④ 食事のにおいを抑えましょう。
- ⑤ こまめに水分補給しましょう。
・1回の食事の量が多いと、不快感に繋がり、嘔吐しやすくなります。
・ゼリー、プリン、アイスクリーム、シャーベット、豆腐状の食品、煮物、あんかけ等の料理は、柔らかく、水分を多く含むため、口当たりがよく食べやすいです。
・油脂の多い、揚げ物や脂肪の多い肉料理は、胃の停滞時間が長くなるため、胃もたれの原因になる可能性があります
・一般に食品のにおいは吐き気を誘発しやすく、特に治療中は嗅覚が過敏になりやすく、普段は気にならないようなにおいにも不快になってしまう可能性があります。においを抑える工夫をしましょう。
・料理は冷ましてから食べるとにおいを感じにくくなります。
・嘔吐時は、水分と一緒に電解質(ナトリウムやカリウム等)も失われます。
・脱水を防止するために、水やお茶以外にもスポーツドリンク、スープ、ジュースなどを摂りましょう。
・水分を摂取することでさらに嘔吐が増強する場合、水分が摂取できない場合には、無理せず病院へご連絡下さい。
☆ 身近な人が手をふれたり、背中をさすったり、優しい言葉で不安を取り除くのも良い方法です。
☆ 吐き気が強い時は、薬を使うことで軽減することが多いので、がまんせずスタッフに相談してください。
☆ 医師が処方した制吐剤(イメンド®)は3日間連続して内服することで効果が得られます。正しく内服してください。